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「プロポーズ大作戦」終わっちゃった…
番組名だけはちょっと▲だったけれど、味のあるドラマでしたね。

ハッピーな人のハッピーな流れのハッピーエンドは物語にはならな
い。物語=ドラマには、ハッピーとアンハッピーとクライマックスが
必要。想いを寄せる二人のすれ違いは古今東西を問わずドラマの定
番、色あせることのない偉大なステレオタイプ(ただしバリエーシ
ョンはさまざま、シチュエーションもいろいろ)。分かっていても、
分かりきっていても、物語=ドラマには心揺さぶられることがある。

物語はフィクション、虚構。でもだからこそエッセンスを抽出して
再構成し最適化された演出を施すことで事実を越えた真実を映す。
人とはなにか、なぜ生まれ、恋をし、悩み、生きていき、別れ、
死ぬのか。答えを説明するのではなく、こんな人生もあるよ、あん
な生き方もあるよ、そういう人間もいるよ… 人生の、世界の、真
理のさまざまな姿を示して心に共振・共鳴を呼び起こす音叉か。
説明的なセリフは×。説明ナレーションも×。それでは人の心は伝
えられない、というのは物語のイロハのイ(古っ)。当然その読解
でも気をつけて読み取るべきは表情や態度。言外の、行間の、無で
はない凝縮された空(くう)の間。目にした情景、その描写は見た
人物の心情の投影。明示的なセリフや行動のような分かりやすいか
らこそ偽りのもとにもなる部分ではなく、自分でコントロールの
できない表情や態度、意識しない動作、それらを補助する舞台設定
の一部としての情景描写。味わいつくしたいものだ。見ていたつも
りで見てはいなかった場面の、その中の一つのシーンが重要な心象
風景を表していたり、後への伏線になっていたり。そこを余さず読
みとるのはドラマを見る場合も、小説を読む場合も、醍醐味。

読んだ物語の数だけ、"余"分に人生を追体験・共体験できるのが物
語の素晴らしさ。時を越え、空間を越え、何者にもなれる悦楽。脳
みそのシワの数が頭のヨサを示すというなら、心のヒダの多さが人
間性の豊かさを表すといっておこう。

余韻、余情表現。"余"の余裕の豊かさは悦びのもと。まさに「目は
口ほどにものをいい」「以心伝心」「言ひおほせて何かある」「男
は黙ってサッp(ちょと違う?)」 そう「秘すれば花」… こと
ばにしては伝わらぬ真情を伝えるは……

この作品でいうならば、登場人物それぞれの個性的な味の中でも、
長澤まさみの表情の豊かさが白眉(はくび)でした。大きく口をあ
けた屈託のない笑顔も、眉間にシワをよせ口角をきゅっと上げた怒
りの顏も、ふと見せるうつむいて思いつめたような横顔も、そして
とろんとした目・まぶたの独特の間のある表情も。表情のバリエー
ションはそのまま心の振幅のバリエーション、心の豊かさのプレゼ
ンテーション(〜Mr.KUWATA風・韻?)

     受験の小説は<ワードマーキング読解>で説明してきた
     ような特殊な読みが必要になるが、そこでの分析的・理
     知的な読みは、実はふつうの楽しみの読書の力を数段パ
     ワーアップさせてくれるという不思議は読書の神様の恵
     みか。

人は誰しも一生のうちに一本のドラマを持つという。

あなたのドラマは撮影済み? それともこれから?

『明日晴れるかな』
http://jp.youtube.com/watch?v=7L-AB735qFE

『明日晴れるかな〜Piano Version』
http://jp.youtube.com/watch?v=XfcCCC_HI4g
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